JUGEMテーマ:アート・デザイン
骨伝導って知っていますか?
通常、私たちが耳で聞いている音は
専門的に説明すると(専門家ではありませんが)
空気を伝って鼓膜(中耳)を振動させ聴覚神経(内耳)
に伝わる音ですが(これを気導音といいます)、
これに対して、骨伝導は、声帯などの振動が
頭蓋骨を伝わり直接聴覚神経に音が伝わる
(これを骨導音といいます)ものです。
ということなので、実は、普段、私たちが
耳にしている音は、気導音と骨導音が合わさった音で、
このため、録音した自分の声を初めて聞くと
強い違和感を覚えるのは、録音機器のマイクは
空気伝導によって伝わる音のみを録音するためのようです。
なるほど、勉強になりますね。
生物の中には人間のような耳殻を持たない生き物もいて、
そのような生物は骨伝導によって外部の音を検知しています。
例えばクジラは、水圧の影響を避けるために聴覚器官が
全て体内にあるが、下顎の骨で水の震動をとらえて耳骨に
伝えることで音を感じ取っているそうです。
こんな特徴をもった骨伝導では、外部の騒音に妨害されずに
音を聞き取ることができるため、耳を開放しておかなければ
危険な状況で働く人(消防士や兵士など)の通信に利用されて
います。さらに骨伝導ならば、長時間の渡って空気伝導を
利用した音響機器を使用しても、疲労や聴覚機能の低下が
少ないとのことです。
この特徴を生かした骨伝導スピーカーやヘッドフォンが
発売されています。
ちなみに、18世紀のドイツの大作曲家ベートーベンは
指揮棒を歯で噛みピアノに押し付けて骨伝導で音を
聞き取ることで、作曲を続けたそうです。